飲み友のKちゃんが和歌山に買い出しに行ったようで、太刀魚のみりん干しをくれた
私の実家は田辺市の海沿いだ
昔ながらの田辺の人間は釣りをするし、叔父の嫁さん、妹の婿さんは同じ田辺の漁港出身、なので私も小さい頃から海のもんばかり食べていた
春は磯にくっついたイソモンと呼ばれてる小さな貝を取り湯がいて食べる
冬はウツボだ、鍋に入れたりするが、ウツボの干物を小さくハサミで切り、火鉢であぶり餅なんかと一緒に砂糖醤油をつけ食べる
田辺は山の幸も豊富だ
ミカンや梅だけではないのだよ
いろんな農産物新しい品種なんかもすぐ出回り口に入る(50年前にはいち早くアボカドなんかも食べていた)
全国的に見ても老後に人気の町らしく、移住される方もいるそうだが、車が無いとどこに行くのも不便ではある
母や妹夫婦から季節ごとにいろいろ送ってもらいKちゃんにお裾分けしていたら
「こんな美味しいの、どこに売ってる?!店教えて!」
と言われ地元民しか知らないような小さいお店を教える
そしたらフットワークの軽いKちゃんは、一家で買い出しに行って逆お裾分けをしてくれるのだ
骨の無い太刀魚のみりん干しは、塩気を抜いて小さい息子に握らせてしゃぶらせていた
息子のおやつはダシじゃこ(和歌山のダシじゃこはでっかいのです)やこんな物であった
体は小さいが骨密度が高いのはこのおかげじゃないかしら
私は小さな町は性に合わず飛び出した
大阪市の高校を出てからずっと大阪に住んでいる
田辺は故郷とは言えない程に様変わりして、どこがどこだかもうわからない
Kちゃんが「ホンマ、こんなんいつも食べれるって妹ちゃん達うらやましいわぁ」と言うていた
………ホンマKちゃんの言う通りやと思った